赤道大気結合研究計画に関する国際シンポジウム 
International Symposium on Equatorial
Processes
 Including Coupling (EPIC) 実施報告


--- 概 要 ---

赤道は太陽放射エネルギーを最も強く受ける地域であり、地球大気の各種現象の駆動源であって地球環境変動研究上の最重要地点である。しかしながら赤道域大気圏にはなお多くの未解決問題が残されている。例えば、エルニーニョなど地球規模の気象変動に直結する現象、オゾンなど大気微量成分の地球全域にわたる物質輸送の解明、赤道特有の大気波動と大気の力学的バランスの解明などが重要である。また大気は上下に連続しており、地表面の微小な変動が中層・超高層大気中では大きな擾乱となる。国際赤道大気結合研究計画(EPIC: Equatorial Processes Including Coupling)は、本シンポジウムコンビーナーの提唱をもとに、国際学術連合(ICSU: International Council of Scientific Unions)の国際太陽地球系物理学・科学委員会(SCOSTEP: Scientific COmmittee on Solar TErrestrial Physics)19982002年の5ヶ年計画として策定した国際研究プロジェクトである。EPICでは、現在まで世界各国の研究者によって様々な共同研究や観測キャンペーンが行われてきた。本シンポジウムは、これらEPICの様々な成果発表の場として開催され、日本を含む16カ国からの参加者によって活発な議論が行われた。我が国においても赤道大気研究の重要性は深く認識されており、昨年度末には、京都大学宙空電波科学研究センターによってインドネシア共和国スマトラ島の赤道直下に直径110mのアンテナを備えた赤道大気レーダーが設置されるに至っている。シンポジウムでは赤道大気レーダーの概要と初期観測結果が報告された他、これに関連する観測計画が発表・討議された。EPICに引き続いて、20042008年には国際太陽地球系気候変動研究計画(CAWSES: Climate and Weather of the Sun-Earth System)が予定されていることから、赤道大気研究の今後の方向付けが討議され、いくつかの新しい国際研究計画が紹介された。

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 本シンポジウム参加者総数は147名であり、うち国外からの参加者が69名に達した。参加国数は日本を含めて16か国であり、EPICという国際研究プロジェクトにふさわしい雰囲気で行われた。発表論文数は122件に達したが、全参加者による議論を行うため会場は1ヶ所に絞り、厳選された論文70編が口頭発表された。残りの論文に関しては、320日午後に別会場(大学内の共同大会議室)を用意し、ポスター発表を行った。発表形態にかかわらず、活発な議論が交わされた。本シンポジウムは運営においても、その内容においても成功裡に実施された。


--- 参加者 ---

 参加海外研究者 ・・・ 69名 / 海外参加者リスト

国 名 人数 国 名 人数 国 名 人数
インド 14 アメリカ合衆国 18 イギリス 2
イント゛ネシア 10 カナダ 1 イタリア 1
大韓民国 2 ブラジル 5 ロシア
台湾 6 ペルー 1 ドイツ
フランス 1 ウクライナ 1 オーストラリア 3


 参加国内研究者 ・・・ 78名 

 合 計  147名


--- 参 考 ---

 プログラム
 Invited Speakers' List
 シンポジウム用ホームページ(終了)


レセプション 
(新都ホテル)
発表風景 (京都大学木質ホール) 

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